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アルハンブラ宮殿


アルハンブラ宮殿
 
 アルハンブラ宮殿は、「赤い丘」と呼ばれる高台に建つ、スペイン・イスラム芸術の枠を集めた華麗な宮殿は、ありし日の華々しさを今に伝えています。宮殿は大きく四つの部分からなっています。王宮、カルロス5世宮殿、アルカサバ、ヘネラリフェです。
 
アラヤネスのパティオ_天人花の中庭  王宮:14世紀、ユスフ1世とモハメッド5世父子の時代に建築されました。まず「メスアールの間」(Sala deI Mexuar)で、美しい絵タイルと細かいアラベスク模様が見事。見晴らしの良いアーチ型の窓からはアルバイシン地区の白い家並が見渡せます。「アラヤネスの中庭」(Patio de los Arrayanes)では、細長い池と両脇の天人花(アラヤネス)の生垣の緑が整然とした空間を作っています。この中庭から「バルカの間」(Sala de la Barca)を経て、王宮で一番広い「大使の間」(Salon de Embajadores)に行き着きます。ここは、王の謁見などが行われていた場所で、イスラム最後の王ボアブディアルがカトリック両王への明け渡しを決定した間として有名です。横のカルロス5世の部屋に通ずる細い通路の一番手前の部屋で、1829年作家アービングは名著「アルハンブラ物語」を執筆しました。
ライオンのパティオ  「ライオンの中庭」(Patio de los Leones)はイスラム芸術の最高傑作ともいえる美しさで知られています。中央に12頭の石のライオンに支えられた噴水があり、四方は大理石の柱が林立する回廊となっています。柱と柱の間の上部はアーチで、レースのような繊密な模様が施されています。
 ライオンの中庭を挟んで一方に「アベンセラヘスの間」(Sala de los Abencerrajes)、もう一方に「二姉妹の間」(Sala de las Dos Hermanas)があり、それぞれに「モカラべ」と呼ばれる鍾乳石状の複雑な装飾が埋め尽くした、息をのむ美しさの丸天井があります。その奥には、「ダラハの見晴台」(Mirador de Daraxa)があり、ボアブディル王の妻ダラハは、ここからグラナダ周囲の展望を楽しんだと言われています。後のキリスト教徒時代にカルロス5世の部屋が前方に出来た為、以後眺望がきかなくなりました。「パルタル庭園」(Jardines deI Partal)は、「貴婦人の塔」(Torre de las Damas)を背景に池と花々が美しい明るい庭園です。
 
 カルロス5世宮殿:アラブ王が去って約50年後に、カルロス5世は王宮に隣接して、ルネッサンス様式の四角い建物の真中に円型の中庭を配した宮殿を建てました。中庭の周囲は2階建の回廊で、1階はドリス式、2階はイオニア式のシンプルなデザインの柱で、イスラム建築とは趣を異にしています。現在1階をアルハンブラ博物館、2階を県立美術館として利用しています。ここは音響効果が優れているため、夏に開かれるグラナダ国際音楽舞踊祭の一会場ともなっています。
 
 アルカサバ:アルハンブラ宮殿内では一番古い部分で、13世紀の要塞です。今は廃櫨となっていますが、全盛期には24もの塔があったと言われます。ベラの塔(Torre de la Vela)は、現存する一つで、ここに登ると、グラナダ市内、ヘネラリフェから遠くはシェラネバダ山脈まで、素晴らしいパノラマが展開します。
 
 ヘラネリフェ(El Generalife):14世紀初期に王の別荘として建てられ、水をふんだんに使ったロマンティックな庭園が見事です。天空を刺すような糸杉、刈込まれた生垣、咲きみだれる草花、大小の池に噴水が上がる様子など、清々しい美しさです。
 
アルハンブラ宮殿地図
 

 
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